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頭痛が痛い話

頭痛持ちである。



いつからかはっきり思い出せないが、少なくともここ3年ほど、きまって冬〜春にかけてのある期間、2,3日にいっぺんのペースで左目を裏から刺されるような痛みに襲われる。一度発作が始まると30分から数時間続く。その間は痛くて何も出来ない。自然に声が出るくらい痛い。あまり痛いので一昨年の1月にペインクリニックにかかったら群発頭痛と診断された。その時は一度大学病院で見てもらったほうがいいということで紹介状を書いてもらったが、その年はその後2週間くらいで発作が出なくなってしまったので結局行かずじまいになってしまった。

群発頭痛の原因はよくわかっていないらしいが、直接の痛みの原因そのものは血管の拡張による三叉神経の圧迫であるらしく(Wikipedia 英語版記事より)、同側で鼻汁や流涙などの自律神経症状(副交感神経?)が出るとされる(どこにも書いていないが頭が痛くなったあとにトイレに行きたくなることがかなり多いがこれも自律神経症状だろう)。さらに上位の原因には①視床下部説②ニューロペプチド説③内頚動脈説などあるようだが(日本頭痛学会ガイドライン)①によるとMRI-VBMで後視床下部灰白質細胞密度が高いことが認められる(May et al. 1999 Nature Medicine)ということだそうなので、自分の脳で見てみようと思う。

ガイドラインによれば発作が起きてからの治療にはトリプタン自己注射と酸素吸入が、予防にはカルシウム拮抗薬が勧められている(解釈のしかたは不明だが予防薬は推奨グレードが低い)。普通の頭痛薬は作用が遅すぎて発作が起きてから飲んでも間に合わないという話。注射は苦手なので酸素でなんとかなるならそちらのほうが嬉しい。

イミグラン自己注射キット

あともう一点、我流の頭痛緩和法がペットボトルや椅子の背もたれを脇に挟み込むという方法で、これは皮膚圧反射を利用した鼻詰まり解消法の応用(のつもり)。この皮膚圧反射というのは「体表面へ圧力がかかると体側で交感神経活動が亢進する」というものなのだけど、50年代の高木という人の論文があるという以外イマイチまともなエビデンスが見つからないのが怪しげ(でも少なくとも鼻は多少通る)。それはともかく、これにかぎらず(プラシボかも知れないが)横になってじっとしているより歩きまわったりしたほうが痛みがマシな気もするので、方向性として交感神経活動亢進というのは強ち間違っていないのかもしれない。今度は辛いものとか持ち歩くようにしてみるのもありかもしれない。病院に行くのが先決だけど。

今年は例年に比べて3ヶ月くらいはやく群発期がやってきた(参考: twilog)。発作が起きた日はとにかくQOLが低い。仕事も手に付かないし収まってもグッタリしてしまう。就職したら頭痛で早引けもできまい。有病率は0.2%ということでこれに関してはつくづく不幸と思う。発作中は前世で悪いことでもしたのかなみたいなことを考えている。群発頭痛は陣痛より痛いという人もいるそうだ。痛みだけでカウントしたらもう大家族である。ちなみに例年群発期が終わる頃にちょうどスギ花粉症が出始める。これもQOLを下げている。均したら頭痛より酷いかもしれない。しかも10代後半からは花粉症に誘発されて果物のアレルギーまで出始めた。食べるとかゆいので桃やさくらんぼを食べられない。抗原抗体反応の特異性とやらはどうなってしまったのかと思う。今でさえこうして年の1/4くらいを謎の持病(?)でグズグズやっているのに、これから肉体がピークを過ぎ、ますますボロボロになっていくかと思うと気が滅入ってしかたない。言っても仕方ないが。

コメント

  1. 気圧が低いと頭痛が起きやすい気もするが血管膨張でこれは説明できる?本当に天気と関係があるかなど後からふりかえれるように今後も頭痛記録をTwitterにつけていこうと思う。

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  2. 大学病院でイミグラン錠処方されました 

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  3. イミグランというのは偏頭痛 = migraineに否定の接頭辞iを付けてImigranだそうで語源がぜんぜん違うのだけど響きがImmigrantのようですが移民とイミグラントが韻を踏んでいるのはnameと名前の関係に似ているがこの関係性は少し違うが日ユ同祖論に似ている

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